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小さな子ども(特に0〜2歳児)はとても頻繁に熱を出す傾向があります。
安全・感染予防の観点から37.5℃を超えると保育園は預かりが出来ないので、例え仕事中であっても呼び出され迎えに行くこともしばしばです。
病児・病後児の保育サービスを充実させるべきでしょうか?
東京女子医大の研究によると、保育園の0歳児の病欠は年に平均19.3日。
しかし子どもの看護休暇は年に5日(子ども2人以上の場合は10日)しか取得することができません。
明治安田生活福祉研究所の調査によると、0〜6歳児がいて妻が正社員・公務員である家庭の50%以上が「子どもが病気のときも利用できる保育サービスの充実」を希望しています。
厚労省の関係機関の調査によると、妻が30〜34歳の夫婦の24.8%が、理想とする子ども数をもたない理由として「自分の仕事に差し支えるから」という理由を挙げています。
厚労省の調査によると共働き世帯は6割以上となっており、親が子育てと仕事を両立できる環境を整えることが少子化対策に繋がると言えます。
厚労省の調査によると、妊娠・出産の前後に退職した女性の26.1%が「仕事を続けたかったが仕事と育児の両立の難しさでやめた」、そしてそのうち22.9%が「子どもの病気等で度々休まざるを得なかった」と回答しています。
OECDの発表によると、日本で女性の労働参加率が2030年までに男性並みになる場合にGDPは20%増加するという試算が出されています。
よって、病児・病後児の保育サービスの充実は経済成長に繋がると言えます。
川崎医療福祉学会誌掲載の論文によると、病児保育を利用した保護者の47.6%が「普段と違った環境で可哀そうであった」、33.3%が「病気のときにまで病児保育施設に預けるのは抵抗感があった」という感想を抱いています。
子どもが病気のときには親が看護をできるよう、看護休暇の日数を増やすことや、柔軟に休暇をとれる職場環境を整えることの方が重要なのかもしれません。
急な発熱に伴い意識障害・けいれんを引き起こす熱性けいれんなど、病児・病後児の保育には通常の保育以上の高いリスクがあります。
厚労省の研究によると、補助金を受け病後児の保育を行っている施設の20.2%が「病児等を預かるリスク」が運営上の課題であるとしています。
国の通知によると、病児保育の施設には開設費として460万円、運営費として1施設あたり年241.7万円(送迎がある場合はプラス年900万円)と年間延べ利用児童1人あたり約1〜5万円などを国・都道府県・市区町村が1/3ずつ支払います。
また保育園の場合には、入りやすい自治体には子育て世帯が引っ越してくるため更に多くの保育園が必要になり、結果として例えば東京・世田谷区では区の予算の約1割(約300億円)が保育園の運営費で占められているのですが、これと同じようなことが起きる可能性もあります。
病児・病後児の保育サービスを充実させたぶん、他の予算を削る、借金を増やす、利用者の負担額を上げる、などが必要になります。